恕のたより vol.36

平成30年度入学式が挙行されました。

新年度になって初めての「恕のたより」をお届けします。

今回は入学式の式辞で新入生の皆さんにお願いしたい三つのことを要約して紹介します。

一つ目は「初志貫徹」ということです。皆さんのなかには自分に適しているのだろうかと多少の不安を抱いている人もあるかも知れませんが、少なくとも同じ目標に向かって一歩踏み出したことには間違いありません。この一歩を初志としてぜひ、国家試験合格まで志を貫き通していただきたいと願っています。在学中に皆さんは、困難や挫折に遭遇することがあるかと思いますが、その時、入学したときの初志に立ち戻り、気持ちを奮い立たせ、困難を克服してください。上天草市出身の森慈秀という人は、周囲から到底不可能といわれながらも「人が笑おうと俺はあきらめん。みんなの幸せを願って夢は叶う。」とあきらめずに己の初志を貫き通し、天草五橋を実現させました。皆さんも、それぞれの初志をねばり強く持ち続け、最終的には形あるものとして実現されんことを強く願っています。

二つ目は、私がこれまで言い続けていることですが、他人を思いやる「恕」の心を身につけてほしいということです。『中庸』に「忠恕は道を違(さ)ること遠からず。これを己に施して願わざれば、また、人に施すなかれ」という言葉があります。忠恕こそ人の行うべき道に近い。それはとりもなおさず、自分が人からしてほしくないと思っていることは、自分からも、人に対してしないという意味です。我が身を他人の身に置き換えて、他人の心を推しはかっての行動、そこには自分と他人とが共に生きる道が開かれています。

どうぞ新入生の皆さん、これから「恕」の心を育み、お互いを尊重し合い、有意義な学校校生活を送ってください。

三つ目は、「コミュニケーション力」を在学期間中にしっかりと磨いてほしいということです。私のいうコミュニケーション力とは、社交的であるとか、話好きであるとかいう性格や気性とは異質なものであります。セラピストや看護師には、対象となる相手を意識して、相手の言いたいことを的確につかむ人間理解力が強く求められています。その理解を己のこれまでの学びに重ねて、相手に還元していく知恵や技術こそコミュニケーション力であります。本学では皆さんに、コミュニケーション力を高める教育を行って参りますが、皆さんは皆さんでその力をみずから努力して積極的に磨いてほしいと願っています。

新入生の皆さんは、この世にたった一人しかいない存在であります。どうぞ、このかけがえのない存在を自覚し、「恕」の心を育み、社会の中でコミュニケーション力を発揮できる人材に成長され、初志を貫徹されんことを期待しています。

 

恕のたより vol.35

平成29年度卒業式が挙行されました。

- 学校長通信第34号 - 学校長 高野 茂

新年になってから、途絶えがちになっていました「恕のたより」をお届けします。今回は、私が、式辞で述べましたことを要約して紹介します。
昨今の新聞・テレビ等を見ていますと、人工知能と訳されるAIと言う言葉が頻繁に使われています。AIやロボティクスによって新しい付加価値が創造・開発され、革新的なビジネスやサービスが生み出され、私たちの生活様式が今後、一変するといわれています。また、AIによって将来的には日本の労働人口の約半分は代替可能になるともいわれています。このような「テクノロジー革命」ともいうべき事態を、幕末の西洋文明の流入と比較して、明治維新以来のイノベーションだと表現する人もいます。
この大きな時代変革の中で、私たちはどのように生きたらよいのでしょうか。
そのヒントが幕末明治の激動の時代を生き抜いた人たちの中に隠されていると思います。幕末の頃、西洋医学の導入などで医療界も大きな変革を遂げ、この熊本から多くの人材を輩出しました。近代医療の先駆者となった小国町出身の北里柴三郎をはじめ、北里と脚気論争を行ったことで有名な旧八代郡東陽村出身で日本衛生学の権威、東京帝国医科大学長を勤めた緒方正規(おがたまさのり)、西洋歯科医学の先駆者と言われる人吉出身の一井正典(いちのい まさつね)などが活躍しました。
この三角町からも濱田玄達という日本産婦人科の祖といわれた人物が出ています。彼は三角の里浦で生まれ、幼くして父を亡くし幼少期をこの波多村で過ごしました。やがて古城医学校に進み、現在の東京大学に進学、経済的に苦しみながらも蛍雪の功が実り、首席で卒業しました。その後ドイツに自費留学して帰国後、東京帝国医科大学長まで上りつめました。しかし、手術の際に目を痛め、視力の調節を欠き、学生を指導すべき教授としての良心が許さず大学を辞任しています。その後も日本産婦人科学会の会長を務めるなど会の発展に尽力し、我が国の産婦人科学のために偉大な足跡を残しました。
浜田玄達をはじめ北里たちに共通するのは、新しい西洋医学を取り入れ、研究に対する飽くなき探求心と真面目で真摯な姿勢であったと思います。
現在、「人生100年時代」と言う言葉がよく使われるようになりました。ある人はこの時代にはAIに代替されないようなスキルを付けることが必要として、五つの性格スキルを上げています。その中で尤も重要なスキルとして「真面目さ」をあげていました。その定義は「目標と規律を持ってねばり強くやり抜く資質」だと主張しています。

 これからの時代は、皆さん一人一人が新しい流れに即応しつつ、それぞれが掲げる目標にむかって真面目に、真摯な姿勢で取り組んでいくことが重要だと考えます。

もう一つ話しておきたいことがあります。それは、私が「校長室便り」の題にもしています他を尊重し「おもいやる」心、すなわち「恕」の心を持ち続けて欲しいと言うことです。「恕」という言葉は、孔子が弟子に一生守るべきことは何かを問われた時、「それ恕か、己の欲せざるところは、人に施すことなかれ」と答えたことに由来し、他を思いやる心であります。この精神は古今東西、社会の土台である人間関係を維持していくうえで最も重要な道徳律といわれ、多くの先人たちが座右の銘にしてきました。
不確実性の高い社会状況の中で、厳しい環境に置かれた人への思いやりの心を忘れず、常に他との関わりのなかで、自分を見つめ、「恕」の心を大切にしていくことが、これからの社会を構築していく礎(いしずえ)だと確信しています。

恕のたより vol.34

平成30年明けましておめでとうございます。

皆さん、明けましておめでとうございます。今年の元旦は多くの地域が天候に恵まれ、初詣などに出かけられたのではないでしょうか。今年が皆さんにとっていい年でありますように祈念しています。

さて、本学では12月に入って理学療法学科で新しい取り組みが実践されました。その概要を簡単に紹介します。
理学療法学科3年生を対象にしたOSCE(オスキー)という実践的な演習です。
OSCEとは、「Objective Structured Clinical Examination」の頭文字をとったもので「客観的臨床能力試験」と訳されています。座学やペーパーテスト重視した評価ではなく、臨床的な判断力、技術力、医療人としてのマナーなど実際の臨床現場で必要とされる能力を、客観的かつ適正に評価する方法です。
3年生を対象として今まで学んだ知識・技術をもとに、1月に実施される評価実習に臨むにあたって、必要な技能の修得の一環として12月にOSCEが実施されました。
その進め方は、学生がこれまで学習した各種検査・測定の目的と意義を十分に理解し、それを実践できるようにするため、プリセプターグループごとに学習計画を立案し、グループ学習を進めていきます。その上で、模擬患者を対象にOSCEによる評価を行う方式です。
これからの学習形態として学生に大いに役に立つと思います。

今回は、初めての試みということで、その模様を写真で紹介します。

今年も様々な取り組みなどを紹介していきたいと思いますので期待してください。

恕のたより vol.33

- 学校長通信第33号 - 学校長 高野 茂

国家試験模試で全国2位の快挙!!を達成

理学療法学科・作業療法学科の4年生、看護学科の3年生は現在、国家試験合格を目指して頑張っています。そのような中で去る11月10日(金)に実施されました2017年度第1回医歯薬模試に於いて本学4年生の和田龍星くんが総得点で見事全国第2位の成績を収めました。
受験者総数は6483人(内訳:大学3199人、専門学校3284人)であり、280点満点の233点で、最高得点が237点でしたので、1位とは僅か4点の差でした。その中で、専門基礎分野では全国1位でした。
すばらしい快挙で、忙しい時間の合間を縫って校長室に来てもらい、担任の佐藤先生とともにお話しを聞かせてもらいました。

 日頃、心懸けていることはどのようなことですか。

○何でもこれをやろうと一度心に決めたら、「続けること」を心懸けている。しかし、状況が変わったらそれに応じて、変化させて続けるようにしている。
○現在は、国家試験合格に向けて、班別に動いている。5人の班員とともに励まし合いながら、頑張っている。一人ではくじけそうになることも仲間がいて励まし合っているので続いているのだと思う。

 

 後輩に対するアドバイスをお願いします。

○自分は、この学校に入って理学療法に関する仕事のおもしろさに気づく中で、勉強に対してエンジンが掛かりはじめた。それから自分なりに理解できるまで疑問点などに向き合った。(そういえば、彼の姿は職員室でよく見かけたし、講演会でもよく質問をしていた。)
○一つ一つのことにしっかりと丁寧に向き合うことが大事だと思う。

 

 担任の佐藤先生から

○3年生の時から担任しているが、クラス委員を引き受け、クラスのリーダーとしてクラスをまとめ、いい方向に引っ張り上げてくれた。

 

校長室に入って、彼の顔を見た途端に「なるほど」と思いました。彼は大分県出身だそうです。特技は「日本拳法」で、格闘技が大好きだそうです。現在は、学校で90分の4コマ(360分)、放課後、2時間程度の勉強を心懸けているそうです。それに帰宅してからの時間もプラスされます。たぶん相当な集中力があるのだと思います。次回は是非全国1位を目指してほしいものです。

恕のたより vol32

専各連九州ブロック体育大会で大活躍

11月15日(水)~17日(金)に大分市を会場に第39回九州ブロック専門学校体育大会が開催されました。本校からは硬式テニス部などが県代表として参加しました。大会結果については、既にホームページで紹介してありますが、改めて結果を紹介します。

 硬式テニス 男子団体 優勝 

 硬式テニス個人準優勝 PT3年稲田秀明 

 ソフトテニス団体3位 

 ソフトテニス女子個人準優勝 PT3年辻本美咲、PT3年渡邉春華

 ソフトテニス男子個人3位 PT3年江崎達也、PT2年濱崎亮太

 剣道 個人3位 NS2年 東 太亮

これまでの練習成果を発揮して熊本県大会を勝ち抜いて、九州大会に駒を進めた学生の皆さんが、校長室を訪問し、決意を述べてくれました。皆さんは、その決意のとおり、それぞれが一生懸命に頑張り、悔いのない結果を残すことができたのではないかと思います。皆さんの健闘をたたえるとともに、引率等で御世話いただいた先生方に心から感謝の意を表したいと思います。

 

本学理学療法学科の谷川直昭先生が全国学会で報告

11月19日(日)に東京都で行われた日本臨床スポーツ医学会学術集会において、本学理学療法学科の谷川直昭先生が「Jクラブユースチームに対するJones骨折検診」という演題で報告されました。
その要旨を簡単に紹介します。
サッカー選手における第5中足骨近位骨幹部疲労骨折(Jones骨折)は高校から大学時代に好発する難治性骨折である。この骨折について、Jクラブユースチームの選手30人を対象としてJones骨折に関する事前アンケート、医師による診察、トレーナーによる身体機能評価、臨床検査技師によるエコー検査を実施した。その結果、エコー所見で陽性が2人出て、X線検査を実施したが、骨折を認めなかった。Jones骨折発生のリスクの一つに人工芝での練習があげられている。今回の検診では、Jones骨折は認められなかったが、シーズン初めに選手や指導者に本傷害の啓発ができたことは今後の発生予防につながる可能性があると考えた。
サッカー選手にとって、足の傷害は選手生命を断たれるほど大きなリスクとなります。その可能性が高いJones骨折に関する研究で、啓発や予防対策などは大変ありがたいことだと考えられます。今後の研究成果に大いに期待したいと思います。

興味ある方や詳しく知りたい方は直接先生に聞いてください。