恕のたより vol.18

学校長通信「恕のたより」-第18号-学校長 高野 茂

あなたの心に「愛校心」を育てましょう

 
年も改まり、新しい気分で、学校生活を過ごしていると思います。今年の干支(えと)は酉です。「酉」の字の由来は、果実が成熟の極限に達した状態を表しているところからきているそうです。皆さんの日頃の努力の成果がが叶う年になることを祈念しています
新しい年になって国家試験対策模試、単位認定試験、評価実習などが始まり、先週からリハ科1年生の講義も開始され、全学年そろいました。時々、講義の風景を見せてらっていますが、それぞれの目標に向けて頑張っていると感じます


さて、私は、年度当初、皆さんに「日々の教育活動」という目標をたてて提示しました。(念のために「日々の教育活動」を校長室の前に貼っておきました。)それは、「学習・進路」「生活」「学校行事・自治会活動・部活動」の3つの柱を立てて皆さんに望む内容になっています。

このなかには、自ら学ぶ姿勢、気持ちよいあいさつ、凡事徹底、他への思いやり、コミュニケーション能力、マナー・モラルの向上、ボランティア活動など具体的に掲げています。そして、その根底に流れるものとして本学の教育理念である「愛と和」があります。愛は、「人を慈しみ、幸せを願う温かい心」です。私は、皆さんにこの愛の中に「愛校心」を付け加えていただきたいと強く思います
学校は、皆さんが一生の仕事として誇りある職業に就くための貴重な学びの場であります日々の授業、友達との交流、学習、学園祭などなど様々な人生のドラマが繰り広げられる場であり、卒業してからも心に背負っていくアルバムです。ぜひ、学校はあなた方が育っていく場ですので、学校を大切にし、学んでいる学校に誇りと自信をしっかりと植え付けてほしいと思います
そして、最終的には、「人としての優しさ、高い人間力を持つ「本当の医療人」を目指した看護師・セラピスト」になっていただきたいと願っています

恕のたより vol.17

学校長通信「恕のたより」-第17号- 学校長 高野 茂

本学の先生が全国大会で教育研究成果を発表(パート2) 

「実習における実施経験のアンケート調査からみた傾向と課題」
臨床実習は卒前教育において、実習指導者のもと臨床思考や技術を学ぶ重要な科目である。臨床実習の問題点として学生の自発性の低下や知識・技術不足の指摘は多いが、基本的な介助に関する経験不足を指摘する声も増加し、1.2年次の経験機会の減少が予測された。そこで2年次の実習における介護実施経験についてアンケート調査を行い、経験の実態把握と実習形態の傾向を検証することにした。その結果、車いす介助について、78㌫の学生が「実施」「監視下」で経験できているものの、その他の項目で経験できた割合は半数に満たなかった。また、検査測定実習は検査の目的や意義、手技に重点が置かれているため、その前後にある基本動作等の介助経験が省かれた実習遂行の実施も予測された。これは、学校側と施設側との間で介助項目の経験に関する具体的な提示ができていないことも要因にあると考えられる。
以上のことから、実習における介助実施経験の実態を把握することで、現状の課題が明確となった。また、実態を実習指導者と共有することは、より良い理学療法士育成の一助となりうると考える。

2つのレポートは、具体的なデータに基づいた発表内容で、レジュメを興味深く拝見させて頂きました

これからも学生のために大いに教育研究を進められることを期待しています
%e7%84%a1%e9%a1%8c福岡市の会場

恕のたより vol.16

皆さん、あけましておめでとうございます。 
 今年も宜しくお願いします。

学校長通信「恕のたより」-第16号- 学校長 高野 茂

本学の先生が全国大会で教育研究成果を発表(パート1) 
福岡市で開催された日本理学療法教育学会学術集会において本学の4人の先生が研究されたことを「本校における新カリキュラムの有用性について」と題して谷川直昭先生が発表され、「実習における実施経験のアンケート調査からみた傾向と課題」と題して野田真依子先生が発表されました。

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その発表概要について簡単に紹介いたします。
「本校における新カリキュラムの有用性について」
少子化などに伴い医療系専門学校への入学が広き門になり、多様な学生が入学してきており、学力格差も広がりを見せている。なかには学習意欲の低下や職業観に乏しい学生もいる。本学ではこれらの学生に対応するために、2014年度からカリキュラムの改定を実施し、現在に至っている。改定内容は、1年次教育を見直し、「総合教育Ⅰ・Ⅱ」を前期に新設し、その中で養成校における学習意義を学ぶとともに、基本的な勉強方法の指導をおこない、学習習慣の確立を図るようにした。改訂前後の単位数、講義時間は若干の変更はあるものの大きな差はない。今回の発表では、この新カリキュラムの短期的効果の有無について検証することとした。
2012年度から15年度に理学療法学科に入学した学生を対象として旧カリキュラム群と新カリキュラム群に分け、1年次における留年者数、退学者数、退学理由を調査し、比較検討した。その結果、退学者数には顕著な有意性は見られなかったが、留年者数ではかなりの減少が見られ、有意性が確認された。今回の結果、入学直後から学習意義や具体的な勉強方法の指導をおこなったことが学習習慣の確立につながり、留年者数を有意に減少させることができたのでないかと考えた。退学者については、退学理由が多岐にわたっており、早い段階から学生が抱える課題を掌握し、個別的な関わりを持つことが必要であると考えた。